何枚かの3種類のカードを、それぞれ一枚づつ計3枚引いて、そこに書かれているように演技するのだ。ちなみにこれもコーチのオリジナルらしい。レッスンの基準となっているものは、ハリウッドなどでも教えられているデータらしいが、ここで行なっている事は、それを元にしたユニークなコーチのオリジナルの方法が多いのだ。
さて、そのカードの3種類は、まず「イライラして」とか「怖がって」とかの”感情”、そして「服を着ながら」とか「立ち上がりながら」とかの”動き”、そして「ありがとう」とか「ホントに怒るよ!」とかの”セリフ”だ。
その3枚を引いて、たとえば
「イライラして」「服を着ながら」「ありがとう」
などというシーンを演じるわけだ。
これは意外と難しい。でも子供にはとても人気のある訓練だ。子供は何でもルールさえきちんとあれば、ゲームにしてしまえるからね。(「ライフ・イズ・ビューティフル」という映画では、ナチの捕虜収容所でナチに見つからないというのが”ゲームだったよね)
大人がやると、頭で「うまくやるにはどうすれば……」何て考えてしまうんだよね。でもこれは、その3つを同時に行なうというシンプルなゲームだと考えた方が面白い。
でも、実際演技では、というより実生活でもこんな風に、感情と動きとセリフがそれぞれバラバラな事って、ホントによくあるんだよね。つまり頭で考えるよりも、こういう事は”自然”で”リアル”だってこと。
だけど、いざやるとホント難しいんだよね。
何かギクシャクするんだ。
で、コーチが言ういつものセリフ……。
台本には、「セリフと動き」が書いてある。でもそれをただ行なうだけじゃ「棒読み」だよね?「感情」が込められていないとダメだよね?じゃあ、感情が込められていればいいかって言うと、それも「クサイ芝居」になりやすい。
「リアルな演技」というのは、「ある考え」から演技が始まるんだ。その「ある考え」が「感情」を創り、身体を動かして「セリフと動き」を表現していくのだ。
「ある考え」というのは、「意図」のことだ。つまりブッチャケ「〜したい」という考えの事。
この「〜したい」がシーンの演技の基本との事。それを見つける事こそ、「役者のセンス」ということらしい。
ちょっと話が長くなるけど、「〜したい!」というのは、誰に、何を、どうしたいか?もしくは、どうしたくないか?がきちんと明確でないといけない。退屈なシーンでもこれは真実。つまり、「目の前の君たちに」「関心を」「持ちたくない」というのが退屈!面白いね。これ「積極的な退屈?」だ!!!
だから、この「スリーカード」も、引いた3枚のカードを成立させるようなシーンの「ある考え」をひらめけば、それで正解!いきなり演技が腑に落ちるようになる。
本当に役者のセンスが磨がかれる訓練だねこれは!
まあ、やり方だけ分かっても指導が適切でないとうまくいかないかも知れないけど……。
ともあれ、演技のときには、その人物の「感情」なんかではなく、「ある考え」にシンクロしていくというのは、またまた目からウロコの訓練でした。




